いけませんね……どうも、これは。
熱が入るまでの時間が悠長に過ぎるのが私の悪いところです。
[先だっても述べましたが、私は人口に膾炙した書ではありません。大衆の手垢に塗れてはおりませんが、それ故に純粋な力には欠けるのです。
たとえば、血沸き肉躍る冒険小説のように、読者の精神性に多大な影響を与えてきた書でもないのですから]
あるいはこの種の荒事描写に得てたところのある書か……
どちらにせよ、あまり悠長に時間を掛けてもいられませんね。
書記官殿の方の戦況が気になります。書記官殿の方が私より先にやられてしまわれたのではお話になりませんし…
[私は少し考えた末、木陰から半身を乗り出し、男の様子を探りました。]
今使ってしまうには少々早い気もしますが…仕方ないです。
次の一発、魔弾のごとき回避不能にして必中の一撃で、心臓の中心を撃ち抜き仕留めてくれましょう。
(269) 2018/10/13(Sat) 23時半頃