[目の前で再会を喜び合う生徒たち。目的を見つけた田原の体は、驚くほど落ち着きを取り戻した]
…よし。じゃあ、俺は車の鍵を探してくる。あと残ってる生徒も。バーレーたちも心配だしな。
[そう言って額の汗を袖でぬぐう。]
ただ、このモップはちょっと厳しいな。
[握り締めていたモップはすでにあちこちひしゃげ、今にも折れそうだった。]
何か武器になるものがあればいいんだが。この部屋にはバットとか置いてないよな…
あと、確か自動車通勤の先生は14人だったかな。この中で車運転できる奴は俺以外いるか?
[3年生の中の数人にはすでに免許を持っている者もいるかもしれない。持っていなくても、運転できるものもいるかもしれない。念のため、運転できる人数分の鍵を取ってこようと思っていた。
バーレーと合流し、クロエたちとこの生徒たちを合流させ、職員室で教師たちの私物から鍵を探す。たったそれだけなのだが、途方もなく危険かつ無茶な仕事に感じる。]
大人だからな、意地をみせなきゃいかん。
[もう涙は出ていなかった]
(269) 2011/12/02(Fri) 22時半頃