>>262
[眇めた瞳へと映る表情に引きずられたかのように口角上げての舌打ちを落とした。大仰に肩を竦ませてハッ、と息を吐いて唇を開く。呆れているのは何も彼に対してだけではない、なんて今更の事]
試してみないと分かんねぇんじゃねーの?
つってもあんたにツッコまれんのなんて死んでもゴメンだけどな
こっちにだって選ぶ権利くらいあるんだぜ
[実際問題――恐らくは彼が思う程には何も知らない訳じゃない。男だらけの軍の中での戯れが、なかったとは言わない。けれど口に上らせる事はないままに、向けた視線には幾許かの侮蔑の色を滲ませた]
俺だって善良な一般市民『でも』あるんだぜ?
――行くぞ
[冗談じゃねぇと、反射的に口をついて出そうになる手前で飲み込んだ。言外の意図はなんとはなしに察せられたから。僅か梢を見上げた視線は思索と言うよりは躊躇いに故に。気に食わない――だけとはいえないこの男と、それでも目立たずに動く為には致し方無いと結論づけて肺から空気を吐き出す。腰を抱かれて振り払う事はなかったけれど、せめてもの抵抗とばかりにひと睨み]
(266) 2013/07/21(Sun) 14時半頃