[朦朧とする意識の中、自分を呼ぶ声がする。うっすらと目を開くと、何故かルーカス兄さんがそこにいた。心配そうな顔で、ニコラス?と呼ぶ彼の姿に、酷く安心して] ―― ぅ わ、ああぁぁん わぁ、ああ、ぁぁぁん[気づけば、泣き声をあげながら、ぼろぼろと涙を流していた。兄さんの前で涙を見せるのさえ、なかったというのに人前でこんなにも泣いたのは、後にも先にもこれっきりだった。だからだろうか、どうにも感情の制御ができないまま。撫でてくれる手があたたかてく、それがとても嬉しかった。少し落ち着いた頃見に来た母が、自分が倒れたと聞いて飛んできてくれたんだと説明してくれた。どうやら、うわごとで彼の名前を呼んでいたらしい。]
(265) 2015/11/24(Tue) 19時半頃