[伝えたいことを、言葉に出来るだけは伝えて。
それでもまだ、言葉に出来ない何かもある気がして。結局は苦笑して、抱き寄せられた千亜紀くんの背中に、まだ上手く力の入らない両腕を回した。
>>254身を捩るのを許してしまう程度の淡い力できゅっとその背に腕を絡めて、もう一度告げてやる]
……いいよ、我慢しなくて。
君の血をもらうし、それから君の寿命も貰う。私が君に血をあげて、それ以上のものも食べさせてあげるのは、貰ったものの代償でしょ。
だから、気にしなくていいの。
もう、怖いことなんて何もないわ。
[こっそりと告げた言葉を、もう一度。
あやす色に、イタズラを交ぜて。
そうして抱き寄せられた胸元にそんな途切れ途切れの声を落として、改めて千亜紀くんを見上げる。]
ええと、取り合えず首筋……かしら?
[耳打ちされて笑う吐息に肩を竦めながら、改めて体温の感じる距離に渇きが強くなるのを覚える。
だから、その強い渇きのままに千亜紀くんの首筋へと顔を伏せた]
(264) 2015/01/22(Thu) 00時半頃