[ 櫛屋の笑い声が途切れるまで、どれ程の時間がかかったのか。時間の感覚さえ捨ててしまうほどに彼の声を最期まで聞いていた。
やがて、彼の声は終わりを迎え辺りは静寂に包まれる。
こんなにも晴れやかな空の下、動かなくなった櫛屋に手を合わせて、数秒。 ]
───ッ 芙蓉、か……
[ 視覚を休め、鋭くなった聴覚が捕らえた足音>>256に手を合わすのをやめ、振り向き、刀を構える。
そこに見えた顔に安堵しつつ、定められた宿命を思い出すと笑いかけることはできなかった。
其れに、彼女のこの表情からして─── ]
…見て、たのか
[ 例えここでは命を奪うことが"正常"とはいえ彼女の中では"異常"であり、其れは自分にも──そして参加者にとっても同じことだ。
きっと受け入れられずにいるであろう幼馴染に、端末を取り出しながら問いかけると、彼女からの返答を待ちながら、端末のメモ欄に櫛屋の口から告げられた参加者の名前を打ち込んでいた。** ]
(263) 2014/12/12(Fri) 02時半頃