― 廊下 ―
[「お察しします」、という後輩>>256からの労りの言葉は、たどたどしくても、薄っぺらいものではないと感じた。
彼女が零した涙は、私の記憶の中に、ちゃんとあったのだから。]
……ありがとう。
[だから彼女に笑って感謝を告げた時、私の気持ちは、少しだけでも癒されていたのだと思う。
それから、華宮芽亜と名乗った彼女の疑問符に]
学校にいた時は、あまり会ってなかったけど……。
先生の、お葬式の時、華宮さんたちも来ていたのを見ていたの。私なんかより、よっぽど泣いていたじゃ――
[感傷から言い過ぎた言葉を、はっと止めて]
とにかく、よろしくね、華宮さん。
これも先生が繋いでくれた縁……なのかな。
[赤い目には、再び涙が滲んでしまう。
それでも涙浮かべたまま、にこりと笑みを浮かべてみせた。]
(261) 2017/01/30(Mon) 23時半頃