──一階廊下
(喧嘩より取り締まるもんがあんだろハゲ!!)
[今までいた部屋から距離を取れれば、歩幅を狭めるだろう。
廊下は、放送を聞いた時よりも暗い気がする。閉じ込められようが日は落ちるのだから、当たり前なのだが。
窓の外は見ずに、壁際に体を寄せる。]
ああいうの、流行ってんのか……?
[男同士で手を繋いでみたり、……色々。
偏見はないが心の準備がないと正直驚く。驚くのもなんだか癪に障るという面倒な思考回路を持っていた。
それとも友人同士はそうするのが普通なのだろうか。と、今更ながら友人のいないことを後悔した。
親しければ、閉鎖的な環境と相俟って自然とそうなるのかもしれない。わからないが。]
はぁぁ……
行こうぜ、早く帰りてえし
[額にかかる髪を払い、極自然に東雲を誘う。
彼は何か言っただろうか。
他愛ないことなら、次の部屋に向かいながら反応するだろう。]
(259) 2015/01/24(Sat) 01時半頃