―昼前・屋上→練習室―
[しばらく荒い呼吸を繰り返し、瞳を閉じて混濁しそうになる意識を何とか繋ぎとめようとする。
やがて我に返れば、慌てて先ず衣服を整える。
気遣う様にこちらを見るヤニクに心配ないと笑みかける。
すぐに動くのはさすがにしんどく、隣に座るヤニクに寄りそう]
……ん。俺さ、ヤニクの音……好き、なんだ。
だから、ここで終わって欲しくないな。
[楽器を探すと告げてくれた言葉に、紡ぐのは素直な想い。
カルヴィンの名前が出れば、沈痛な面持ちで息を吐く]
今朝、音大生にサイラスが疑われて、別室に連れて行かれたんだ。
それで、ね。ヤニクの楽器がなくなったから、今度は同室者のカルヴィンが怪しいって噂が立ってる。
俺も早めに事情を聞きたいんだけど………
あ、そうだ。もしかしたら…
[携帯を取り出せば、セシルのメールが1通。
内容を確認すれば、カルヴィンの居場所を示すもの。
それをヤニクに伝えて、やがて屋上を後にして練習室に向かった]
(257) neige 2010/09/10(Fri) 21時半頃