―?年前回想―
[お父さんとお母さんはハンターで、良く、家を空けていた。お父さんは吸血鬼にも同情的で優しく、お母さんは正義感に溢れた人だった。
2人はいつも言っていた。「種は違っても同じ言葉を使う生き物同士、いつかきっと、共存の道が見つかるはずだ」って。]
[私と、双子の妹のヴァニラちゃんは、そんなお父さんとお母さんが大好きだったし、ハンターとして人を守る2人を、とってもカッコイイって思ってた。
だから、2人きりのお留守番に文句を言ったことなんて無かったし、2人で居ればいつでも楽しかった。不幸だなんて思ったことは、無かった。]
[……ある日、両親の訃報が届いた。お父さんとお母さんの同業を名乗る人が知らせた2人の最期は、あまりに凄惨で。]
[私達姉妹は泣いた。来る日も来る日も2人で泣いて、ようやく2人揃って泣き止んだ時、ヴァニラちゃんは言ったのだ。]
「お姉ちゃん、私、ハンターになるよ。」
(257) 2014/11/06(Thu) 15時頃