[毎年港近くの倉庫街でやっているクリスマスマーケット。
ターゲットとのデートで行く事もあったし、子供の頃両親に連れられて行った思い出に誘われるままに、一人で行く事もある恒例のそれ。
治安の悪い街とはいえ、やはりこの季節特有のイベントごとには、人もわずかに安らいだ顔をしながら賑わったりするものなんだ。
事件がないと言えないのも、この街の治安の悪さ故だけどね]
あそこの屋台で出るホットチョコレート美味しいんだよねぇ。
[そもそも彼女がチョコレートを好む様になったのも、幼ない頃のクリスマスマーケットの影響だった。
寒空の下、父親が手渡してくれるホットチョコレートが大好きだったんだ]
[そんな思い出まで蘇ってきたせいか、うさぎの耳に絡めたチョコレートが必要以上に苦く感じたりもしながら、彼女はエリアスの反応を待った。
ねぇねぇ、セレスト。確かに寒い日が続くんだから冬物は必要だけど。
それって、彼の私物がパーソナルスペースに増えるって事だよ。
気づいてないの?**]
(257) 2014/01/21(Tue) 23時半頃