[自殺を志願した訳ではない、それなら、彼を待つ必要は無かった。理解しがたいと言われれば、まぁ、そうだろうと、おどけた所作で肩を竦め]
そうか。
…けれど、叶えてくれると、嬉しいな。
そう…赤のなんとかと、言ったね、たしか。
叶えてくれるなら、きっと、キミの身に降る呪いを、少しだけ解いてあげる事が出来るよ。
あぁ、でも少し、力が足りないかな、
こんな事なら、己が身に降る細やかな呪いなんて無視して、蓄えておくべきだった。
[トレイルは、正気に見えたが、彼は、如何やら完全にそうとは言い難い様に見える。
向けられる探る眼差しに、顔を上げて微笑み返す。
絶望では無い、これは、細やかな希望だ。
己の犠牲を以って、トレイルが、目を覚ましてはくれないかと。
投獄されるだけじゃあ生温い。
けれど、恐らくは、己如きの力では、何も――…*]
(255) 2014/02/03(Mon) 15時半頃