【人】 安全保障局 アラン

　…………、

[お前の中でソレは一応食物に分類されているのか。>>241
と突っ込みの色を孕んだ眼差しが問う。
何の悪気も見せない笑みが、この躾の難易度を物語っている。]

　違う、お前が驚くべきはそこでは無い。

[灰を被る害虫と一緒くたにされた蜂は低く翅を振るわせた。
ヴゥ…ン、と揺れる音を聞いて、嗚呼。と渡された皿の縁を握りこむ。

気の短さは、結局己に似てしまう。
生き物と言うよりも、己の感情の具現に近い。

今にも飛び出しそうな蜂を諌めるも、彼の手を介して作られた邪気に更に蜂の姿が大きく変わる。
最早、腕と同等までに成長した蜂が、キチキチと大顎を鳴らし、彼を威嚇。
彼の手料理で質量を増し、己の怒りに同調していた。>>242]

(253) momoten 2014/02/11(Tue) 01時頃