―廊下―
[影がメルヤに囁く声は、ケイイチも風を操り拾い上げていた。>>233
しかし彼の言う方法は、元から魔に浸蝕されているケイイチには意味がない。>>235
呪術師に言わせた手段を踏まえて有効だと考えたのかもしれないが、明之進はメルヤに淫行を迫る提案を平然と行うような少年だっただろうか。
いっそ魔に堕ちた者の提案だと思う方が自然な位だが、ここに潜りこんでいる「魔」はまだ自分一人だけの筈。
意図が読めない。彼は一体何なのだろう……?]
――"聞こえてる"よ、明之進。
[二度目の声をかけられて、渋々といった様子で身を起こす。>>243
組み敷いていたメルヤの上で膝立ちになると、自身は既にハーフパンツ越しにでも分かる程主張していた。
メルヤが影の声に従うなら、それはそれで自分にとっても都合がいい。態と無防備に腹を晒して、顔は明之進の方へと向けた。]
(253) 2018/02/23(Fri) 00時頃