[屋上に背を向けて、階段を下りていく。静かな校舎に階段を下りる俺のたんたんという乾いた足音が響いた。
中庭も駄目、屋上も駄目となると、どうするかな。
思い浮かんだのは食堂横の多目的スペースだった。あそこで腰を据えて少し考えるか。
そんなことを思案していると、萩原とすれ違った>>124。]
ああ、萩原か。
[どこに行くんだとか聞くまでもない。屋上に上がる階段だ。
そして、俺は別に止めない。なにしろ本人が番人をしてるんだから、俺が止める必要もないだろ?]
なにしてるんだ?
[声を掛けながら、萩原の顔を眺めた。こいつにもトラウマがあるんだよな、多分。
絵に描いたようなリア充とやらかと思ってたけど、案外そうでもないんだな。
なにしてるんだという俺の問いかけは、どこへ行くんだと変わらないレベルの愚問だ。この校舎から出る方法を探してるんだろう。普通それ以外に何がある?
だから、それは直感みたいなものだった。
もしかして。もしかしたら、って、思ったんだよな。いや、それは後付の理由だ。だからやっぱりそれは単なる直感だった。]
(251) 2017/09/21(Thu) 12時頃