──回想:子供の時分──[ それは、蒸し暑い初夏の頃。 今よりも幾分にも目付きは鋭くなく、 どちらかと言えば大人しそうな少年だった。 あの日は、全身が泥んこまみれで 新品の靴なんて片っぽは行方不明。 ランドセルは半分空いた状態で ノートを取り出してひらけば落書きだらけ。 ───汚くて ぼろぼろな子どもだった。 ]
(251) 2019/06/05(Wed) 21時頃