あ、ありがとうございます…
[引き下がろうじゃないか、には何となくそうお礼を言って、ふとオスカーの視線を追うと、司書が蒼白になってカウンターの奥へ。]
(……『怠惰』って、なんだろう)
[それが、対象がどんな豪腕の闘士でも劣化させてしまう――それ故に彼を、多くの貴族達が求めるような、そんな力だとは知る由もなく。想像したのは、司書さんが逃げるくらいのとても恐ろしい闇魔法的な何かだった。
けれど、「思い知らせてやろうか」が自分のための言葉でもあるというのは何となく判っていたので、ちょっと怖くて不思議だけど悪いひとではないのだろう、と感覚的に結論付ける。]
辞書、ですね。うーんと……
[幸い、ジリヤの座っていた席の、真後ろの棚に、諸々の『辞書・辞典』群はある。
オスカーから離れ、机に本を置き、本棚へ。
木枠に手を添えて振り返り]
ええと、普通の辞書でしょうか?
それとも、古代語? 外国語?
[オスカーに言われれば、そのとおりの辞書を抜き出して、彼に差し出しただろう]
(251) 2014/07/09(Wed) 02時半頃