[万里を抱き寄せた時、彼女は安心したように息を吐いた>>201が、兄じゃないと否定する言葉を告げれば、その体が凍りついき、腕も振り払われてしまう。
『一人ずつ消えていってる』、ということは、相馬に続いて、まだ、誰かが消えて、その誰かを模したマネキンが現れたのか。そして、万理はそれを見て、あの悲鳴を上げたのだろうか。]
…万里、俺は、
[置いていかない、と続けられなくて、唇を噛む。この世界のことはなにもわからない。
また誰かが居なくなるかもしれない。それはもしかしたら俺かもしれない。俺は絶対にここから居なくならない、なんて、そんな気休めは言えない。
そのままお化け屋敷へと消えていく万里の背中>>202を見ても、足を踏み出すこともせず、ただ悲しげに見送った。
昨日の夜は、背中から離れて距離を取られただけだったけど、今度は、拒絶された。]
(250) 2015/06/25(Thu) 20時半頃