ー図書室ー
……ふむ、キミが云わんとしている事の推測は容易だ。其の上で言葉を重ねるなら、別に、ワタシはあの司書に指一本触れたりしないし、傷の一つだって付けやしない、ただほんの少し、ワタシの『怠惰』を味わって貰おうと、ね? まぁ、キミがそこまで云うのなら、この場は引き下がろうじゃないか
[ チラリと無機質な双眸が向けられれば、顔を蒼白にした司書はカウンターの奥へと急ぎ足で逃げ込んでいく、対してオスカーの眼前に立つ少女はよく分かってはいないようでアタフタとしているが、これが彼の『怠惰』を知る者と、知らない者とを隔てる、絶対の差だ。
知らない者である少女は、偽りのない思い遣りの心を以って。]
あぁ、其れはとても、とても助かるな
『怠惰』なワタシがやると、目当ての書籍を見つける頃には日が暮れてしまうからね、本を探す体力は無い、気力も無い、序でに膂力も無いの無い無い尽くしだ
まぁ其れは兎も角、ワタシは此処に辞書を見つけに来たんだよ
(250) 2014/07/09(Wed) 02時頃