― 生徒会室前 ―
[生徒会室の前に行くまでの間、幾人かのゾンビとすれ違った。
同じ制服を着た彼らは、しかし、こちらが大人しくしていれば気付かないように無視して通り過ぎて行った。
けれどその度に神経をすり減らし、小さな安堵を繰り返し、精神的な疲労は先ほどよりずっと深くなった気がする。
やがて見慣れた扉の前まで来ると、大きく息を吐き出した。
まるで呼吸を忘れてたような気すらして、こんな時なのに、少しおかしくなった。
早速鍵を取り出して開けようとするが、ない。ポケットにない。
というか、ポケット自体が無い]
…あ。
[そこで初めて、自分が今体操着を着ていることを思い出した。
更衣室に戻るべきか一瞬考えたが、そこで中から物音が聞こえる事に気付き。
ドンドンと叩きたい気持ちを抑えて、控えめにノックをする]
えと、あの、レティーシャやけど、開けてくれる?
[扉に顔を近づけて、囁くように声を出す]
(249) 2011/12/02(Fri) 21時頃