[間もなく、子供たちは1つの部屋に集められました。
“見せしめ”をすると言って、笑うオトナたち。
その意味を、理解できる子供と理解できない子供は半々くらい。
一列に並べられた子供たちを、吟味するオトナたちの目線。
何やら話しているのが見えた後、オトナたちを掻き分け、「偉い人」が前に歩み出てきました。
その“女の人”が、何を考えたのかは誰にも分かりませんが。
彼女は、「おろかものメアリー」の目の前にやってきて、足を止めて、
そして——凶器を取り出したのが、見えました。
子供たちは、息を呑みます。
皆が絶望の中、10億円の目標まで頑張ることができたのは、
全ては「おろかものメアリー」の励ましがあったから。
それを誰もが知っていました。
彼女が“見せしめ”で殺されてしまえば、もうどうしようもない。
それを分かっていながら、恐怖で動くことができませんでした。
……ただ、1人を除いて。]
(248) 2017/06/23(Fri) 03時半頃