[それが、火蓋を落とす切っ掛けでした。マジック用のナイフを手に、オトナたちに最初に飛び掛かって行ったのは、「あわてんぼうグレッグ」でしたか、それとも「ふまじめリッキィ」でしたか。怒りと恨みに満ちた声を上げ、振り下ろした銀の刃は、それも虚しく、オトナたちにあっさりと止められました。]「まだそんな元気が残っていたのか、乱暴者め」「何も分かっていないんだな、がっかりだよ」[嫌な笑いを、オトナたちは浮かべていました。子供たちの怒りを、悲しみを、絶望を、踏み躙るように。]「そうだ、見せしめには丁度いい」「逆らっても無駄だということを教えてやる」
(247) 2017/06/23(Fri) 03時半頃