[そうしていて、しばらく経った頃だろうか。
またしても名前を呼ばれて「なーに」と緩く返す。
続けられた質問は、さっきと同じようにどこか唐突で、意図が掴みきれない。
今日の那由多は不思議なことばかり聞くなぁ、と思って、戸惑いを含んだ目で彼を見つめる。]
……那由多、夢占いにでも目覚めたの?
[たぶん違うんだろうなと思いつつ、聞いてみる。
常識をきちんと持ち合わせた彼のことだ。那由多なりに、この世界が何なのか解明しようとしているのかなぁ、と想像する。
この世界が夢じゃないかとは秋野だって考えたことだった。
ただ、そこから一歩踏み込んで、"誰かの夢"で"何を望んでいるのか"なんて考えもしなかった。
少し考えてみたけれど、その問いかけは、なんだかとても難しすぎた。]
んーと、……分かんない。
とりあえず、文化祭、楽しみたいんじゃないかなぁって思う。
そんで、皆ここにいるでしょ?
ってことは、皆でもっかい、遊びたいんじゃないかなぁ。
(247) 2015/06/23(Tue) 18時頃