[曲が終わり響く余韻の音も去れば他の空気なんてお構いなしで、人懐こい笑みを湛えて拍手の音を響かせる。
最中、呼ばれた名に気付けば>>234、打ち鳴らす手を止めて、不思議そうに首を捻った。
己が歌を口遊む事など然して珍しくも無い、彼がそれに興味を持った事の方が珍しい。
そう、教えてやるべきか、否か…瞬きを幾つかしながら、さて如何答えたものかと、思案を巡らせる僅かばかりの間]
……――、――そうさな、要らぬと云えばまァ嘘になる、が、
怯えさせてまで奪う気はないさ。今は未だ、な。
[その回答は、問を向けて来たヤニク本人へというよりは、その向こうの小さな奏者へ向けたもの。
余程飢えぬ限りは、家畜はしっかり育ててからたっぷり喰らうものだ。
…なんて、外見から、オスカーを実年齢より随分と若く見積もっている所為で浮かんだ自論は心の内に留めた侭に]
(244) 2014/01/26(Sun) 15時頃