― ひとりきりの、二人部屋 ―
[微睡の中、寝入るに寝入れないまま昔の事を思い返していると控えめなノックの音が聞こえた。>>192
シモンズ家にはノックをする者がいない。いきなりドアを開けるか、入ったらマズいかも、なんて時には態と大きな足音をたて、名前を呼びかけるのが習慣で。
だから、誰がノックしてるかなんて確認しなくても解った。]
んー……ジャーニ?
[ぼんやり、夢現な頭は此処が自室で、今は昔だと勘違いを起こし。
来るはずのない人の訪れを疑うことなく。
ごろんと寝返りを打って隙間から覗く姿に、ほらね、なんて得意気な笑みを浮かべながら。
何しに来たんだろう。今日は何か約束してたっけ……?
考えながらも、なかなか足を踏み入れてこないひとにちょいちょいと手招きを送る。]
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(242) 2015/11/13(Fri) 16時頃