── →教室──
[食堂を出て、教室へ戻る。黒板に並ぶ文字をぼうっと眺めた。
その中のひとつに月詠の文字があって>>2:271、また、少し泣きたくなる。
慌てて唇を引き結ぶ。
それにしても、黒板に並ぶ文字の、どれもこれもが悪い情報ばかりだった。
せいぜい、樫樹の字でお菓子をどうぞと書かれているぐらいだろうか。>>3:173
とん、と黒板の前に立つ。
白いチョークを手に取りかけて、やめた。チョーク入れの中を漁って、赤いチョークを取り出す。
かつん、と、黒板に文字を書いてゆく。
やっぱり文字は小さめだけれど、目に優しい赤色なら少しは目立つだろうか。]
『食堂が、とても豪華です』
『食事も、美味しかったです』
[食欲なんて湧くもんか、と言われてしまえばそれまでだし、良い情報なのかは分からないけれど。
それでも、あれは悪意じゃないと思ったから、何かの感想のようにそんな文字を増やした*]
(240) 2015/07/11(Sat) 17時頃