[ サミュエルと会話を交わしながら――、やはり、全貌が見えてこない。少なくとも、鍵を握るであろうセシルともう一度くらい話さないといけねェな、と思うが。考えても詮無い事が堂々巡りする。 ]
( ……しかし、本当…、何を考えてんだ…? )
[ 歪な情報な撒き方に疑念を覚えながらも、思案する。但し、サミュエルが提案に乗ってくれたのは心強かった。所詮、幾ら自信があった所で――、敵の戦力も完全に見えないのでは無謀、というものだ。 ]
( ……――もっと、力があれば……、な )
[ そう願っても――、やはり限界はあるもので。眼帯の上に軽く触れる。力はあるにはあれど、不安定なその力は――、いざという時に頼りになるかは分からない類のものだった。 ]
……―――ッ、
[ その瞬間、また強く目が痛む。それと共に、近くから聞き慣れない生徒の悲鳴が聞こえると一度話を切って、サミュエルの方へと視線を向けた。 ]
敵さんが近くに居るみてェだなあ
[ 目の痛みを誤魔化す様に、そう告げれば――、杖を強く握った儘、声の方向へと視線を流した。 ]
(240) 2014/08/31(Sun) 20時頃