166 悪魔の揺りかご


【人】 革命家 モンド

― 中庭 ―

[この場所へと訪れる者たちは、退屈に飽いているか、
庇護を求めているかのどちらかだ。
仮に迷い込んだのだとしても、興に馴染まぬ無粋は居まい。

月明かりのように静謐な彼さえ、こうして望みを口にする。>>201
余りあるほどの生を過去にも未来にも持つ身には、
彼の野心が人のように聞こえて仕方ない。]

 事情は知らねぇが、随分と低い望みだな。
 お前さんの核を動かすには、力が足りないってことか。

[彼の口腔で鉤型に曲がる指が、歯列の裏側を拭う。
反射的に歯を立てた挙動を諌め、堪えた英断を褒めるように。
彼が自覚するとおり、己にとっての些細な仕置きは、
下級悪魔からすれば苦行と呼ぶに相応しい体罰となる。>>202]

(240) 2015/07/31(Fri) 21時半頃

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