――木曜日/廊下→食堂――
[あれから色々考えていたが、結局は強烈な生きる理由が必要だ、という結論に落ち着く。
そもそも、自分のサイボーグに対する崇拝にも近い執着のような、強烈な愛を持たざる人間の方が、この学校では多い事を思い出して。
彼らは何を思って日々生きているのだろう?この世は全員が生きたい事を前提に作られていると思うが、生きる理由に関してはあまり言及されていないような気がして。
等と考えていたら、食堂へと辿り着く。
そこで、イアン先輩に声をかけられて、考え事を中断する。
彼からの朝食のお誘いは、断る理由もないので、同行することにした。
イアン先輩は、僕が知る限りでは最高の腕を持つサイボーグエンジニアだ。
実は内蔵等命に直結し兼ねない部分のメンテナンスは、試験をパスしないとやらせてもらえないのだが、彼に教わったおかげで同級生の中から一番早くその試験を通過する事が出来た。
そういう実績もあってか、僕は先輩に結構憧れてる所がある。
そんな彼は、何のために生きているのだろう?ふと気になって、席に座る頃、何の脈絡も無い事には気付かず、彼にこう尋ねる。]
先輩は、生きてる理由ってあります?
(237) 2016/05/10(Tue) 23時半頃