[オズワルドは、自国を離れる際に国境館の十数キロ後方に軍隊を配備するよう命じていた。
指令を元に自動走行する装甲戦車と戦闘機。
金属の表面や関節部分を隠す事のない、人間よりも機械に近しい戦闘用アンドロイド。
外見もOSも人間に近しいクラリッサよりも数段下位に当たり、複雑なプログラム調整を必要としない彼らは量産が可能となっていた。
アームの部分には直接散弾銃が取り付けられ、飛行する為のウイングを背中に収めている。
死を恐れず、与えられた命令を黙々とこなす、感情めいたものは存在しない完璧な‘兵器’。
回線を通じて彼に命じられれば、それらが国境館を強襲する手筈となっている。
――可能であれば、巫女姫を攫ってしまうのもいいかもしれぬ。
強大な魔力を持つ彼女は自国の軍備を拡張する為の貴重な‘サンプル’となるだろう。
廊下を歩くオズワルドは密かに口元を歪ませた。]
(237) 2014/07/10(Thu) 18時半頃