―廊下窓際―
[やめろと言われてやめる魔がいますか、とつい返したくなるが、生憎舌が大忙しだ。>>217
ぴちゃぴちゃと音を立て、犬のように舐めしゃぶる度、可愛い声があがるのだから面白くて仕方がない。
首の茨を唾液だらけにしてから、ただの布紐になった包帯の上に押し倒す刹那、]
(――――ほう?)
[明確な視線を感じ、ちらりと横へ視線を走らせる。>>216
さっきから気配を感じていた存在が、影の中へ沈む姿が視界に入った。
その顔には見覚えがある。夜中に声をかけてきた明之進だ。
戦闘はできず、能力の制御にかなり苦心している筈だ。しかし今の表情、その佇まいからは、どちらかというと。
「こちら側」の存在に近しいものを感じ取った。
だがその邂逅も一瞬のこと。影はすぐに溶けてなくなり、ケイイチは肘で身体を押し上げたメルヤと対峙する。]
(236) 2018/02/22(Thu) 23時頃