―生物学教室から、それほど離れていない廊下で―
[どんっ、どんっ、と音がする。
男の拳がひっきりなしに、壁へと打ちつけられている。
見つめる先は、壁ではない。すぐわきにある、階段でもない]
俺が……不甲斐ないばかりに……。
[残っていたはずの生徒たち>>171は、もう生物学教室には誰もいない>>217。
男はそれを、知っている。
リンダとベネットの無事も、分かっている。
仮に、2人からは男の安否は認識されていなくて>>204も、男からは、無事に生物学教室まで辿りつけたことは、見えていた。
それは、悪夢のような現実の中、もたらされた大きな喜びではあったけれど]
残っていた生徒たちを、守り通すことができなかった。
[襲い来る異形と化した存在から、誰かを守護する力など、男には秘められていないのかもしれない]
(235) 2011/12/02(Fri) 19時半頃