―Xday-1day・PM9:00頃・ハルヒラシティ、繁華街脇の路地―
[結局は大した情報も得られないままに日々が過ぎてしまった。
招待された人間には幾人か出会ったけれど…自分と大差ない状況だと再確認の繰り返し。
ただ一人、クリスマス――彼女だけは何かが違うと感じてはいたけれど。
スウェードのブーティの踵をアスファルトに叩きつけるようにして夜の雑踏を、歩く。
歩きにくかったのは最初の10日位のもので、ヒールの高さにも少女の歩き方にももう慣れた。
シティは夜でも、夜だからこそ人に溢れていて、少しだけ息が苦しくなる。
新鮮な空気――そんなものが仮想世界に存在するのかはさておき、と静けさを求めて足を踏み入れた路地に先客>>232の姿を認めて、いや、その独り言を聞いてだ。
晶の足は地面に張り付いたように路地の角で止まった。
まだその姿をはっきりと視認してはいない]
(235) 2014/03/13(Thu) 18時半頃