[返答に込められた安堵感(>>212)とやめておけ、と警告するその声音には、
差し出された水に毒が入っていないかを確かめるような険しさがあって。
このいい加減なようで鋭い男の胸中は知る由もないが、なにかを見透かすようなそれに瞳を曇らせた。
背中に目でもない限り彼には見えなかっただろうが。
命より大事なものは、命しかない。
それを自分はもう信じられそうになかった。]
…もしかして心配してくれているのかな。
血が不味そうなのは……まあ、知ってるよ。煙草吸っているし。
[フランクの言葉はこちらに言い聞かせるような響きがあって、父の言葉を思い出した。
どの言いつけもろくに守ったことがない。その申し訳なさを誤魔化すように。]
第一ぼくが吸血鬼なら、これだけ女性がいるのに男から襲っていくような、そんな変わった嗜好はないね。
[少しだけ懐かしい心地で、こちらも慣れない冗談を返した。]**
(232) 2014/11/08(Sat) 02時半頃