[ 横目で見ていたクリスマスが転びかけて、
隣にいたエフせんせいがその手を取って防いでくれた。>>222
と、思ったら、真っ白な馬の姿に変わって、目をぱちくり。
エフせんせいが獣の姿になったのは初めて見るし、
真っ黒なせんせいが真っ白になるなんて、想像付かないから。
お守りを持って、エフせんせいに見せてから
その背中に乗っているクリスマスに手を伸ばし、渡してやり。
優しいね、なんて言う声は頭に直接響いて来たけれど、
それがエフせんせいだと分かると首を横に振った。>>225 ]
エフせんせい。わたしは優しいんじゃないわ。
わたしが、妹たちの喜ぶ顔を見たいってだけだもの。
だから、これは我が儘なのよ。
[ 旅に出て帰らない少女も少なくないのに、去年も今日も、
こうやって帰ってきたのは、わたしがそうしたかったから。
人差し指をくちびるに当てて、悪戯っぽく微笑んだ。* ]
(232) 2015/10/15(Thu) 23時頃