シーシャ、この拳銃は…?
[死体に銃創はない。
使われた形跡がないとすれば、犯人のものではなく目の前の彼女のものか。]
[自分の左脇の下をチラリと見る。
普通、警戒するからこそ自衛の道具をもつのではないか?
それが、不意打ちで目を刺されたりするものだろうか。]
[この女性とある程度顔見知りで、警戒されない状態でなければ、至近距離で不意の一撃を喰らわすことなんて不可能なのではないだろうか……?]
[おまけに、頭部以外に正面から受けた傷はない。
致命傷は、背後から何度か刺した傷が一つ、二つ、心臓へと達してるためだ。]
[下体を見ると、女性の身体に広がる古い傷を見つける。
そのひとつが、足の機能を弱らせていたことは明白だった。]
……逃げようにも、足が悪かったのか…
[しかしこの傷は…まるで………]
(232) 2013/09/09(Mon) 00時頃