[切原君が悩んでいることには、全然気がついていませんでした。なにしろ、気まずくて切原君を視界に入れないようにしていたのです。
切原君が苦手だったはずの水泳を克服したことを知ったなら、裏切り者やー!!と騒ぐところでしたが、幸か不幸かそのことにも気づきませんでした。
葵は単純なので、一度にあれこれ悩めません。
転校の話で頭がいっぱいで、昨日のことは一旦棚上げになっていました。……もちろん、忘れたわけではありません。忘れていないからこそ、切原君の方は見られないのですし。
棚上げしている間に、「あーん」について拡散されている>>192という惨事が起こっていたわけですが、まだその噂は葵の耳には届いていませんでした。
もっとも、名前は伏せられての拡散なので、葵の耳に届く頃には別の「あーん」>>126>>153の話になっているのかもしれません。多分その場合、腐っている友人経由で届けられるのでしょう]
(231) 2016/08/20(Sat) 16時頃