[といっても、大して深い理由はない。
当時女には恋人がいた。見た目は詐欺なので、それなりにもてたのだ。
そして言動がアレなので、振られるわけで。
女は性格的に、我が身を鑑みるということはしない。反省とか後悔なんて言葉は、女の辞書にはない。
というわけで、振られた腹いせに、自分を精一杯美化正当化した女を主人公にして小説を書いてみた。
無駄に文才のあった女のその小説は、新人賞を取り、ベストセラーとなってしまったのだった。
「主人公けなげ!可哀想!」「相手の男酷い!」というファンレターが届くたびに溜飲が下がったものである。
しかし既に恋人いない歴4年。いい加減恨みのストックも尽きてきた。ネタ切れに苦しむのも致し方ないところ。
本来の女の性格的に、どろどろ泥沼サスペンスの方が明らかに性に合っていて、筆も進むのだが、いかんせん生々しすぎて人を選ぶ。
コアなファンはつくが、一般ウケはしないソレは、なかなか書かせてもらえないのだった**]
(231) 2013/12/05(Thu) 14時頃