―町外れの街道―
[ふと、後ろから声をかけられた。、ちらりと振り返る。たしか。こいつは…]
ドナルドか…。お前じゃ、今は役に立たんな。
[それだけ、言い捨てると黙り込んで、何か獲物がかかるまでじっと待つ釣り人の目つき。
そんな時に現れた女、>>97ちらりと横目でドナルドを見れば、まだ目を植えつけられてから然程立っていない、所詮、眷属のかけらにしか過ぎないようなものでは衝動を抑えるのは一苦労だろう。
会話は任せて、男はじっと獲物をその目の奥で吟味する。一見何も考えて居ないようにも黙っている様子は不気味に思えるだろう。]
行ってしまったか、また後でもよかろう。
[二人の会話を聞いていた男は、じっとその場を立ち去る女の、その背中を見つめて。
帽子をかすかに動かすと落ちたのは小さな触手のようにでも見える蛇。快楽の毒を注ぎ込むもの。
するすると女の足に近寄り見えない牙をかすかに立てると、それは地面に潜っていった**]
(230) 2011/10/09(Sun) 02時頃