>>127 フェルゼ
あ、いや、皆が皆、捻くれるとは言ってねえけど……。
[バツが悪くなったように、顎をかきながら]
別に、普通のことで発想力が貧困とは思わねえけど。
それなら、その妄想の物語の続きは俺が書いてみるか。
旅人(フェルゼ)が蝋燭に火を灯すとな、旅の思い出を再現するような焔の映像が夜空に浮かび上がるんだ。
こうして、旅人はたくさんの思い出の灯す蝋燭を集めては、何らかの事情で旅が出来ねえ子どもたちに、焔の映像を見せながら、外の世界のことを優しく、ときには面白おかしく語っていくんだ
――なんて、そんなハートフルな物語なんてどうだろうか?
はは、そんなに興味津々に母国のことを聞いてもらえるなら、俺まで鼻高々になっちまうな。
いつか訪れることがあったら、案内してやるよ。
まあ、商売は一人きりでやるもんでもねえからな。
師匠さんが蝋燭作りに秀でていて、お前がその魅力を客にきちんと伝えられるからこそ、仕事が成り立ってるんだと思うぞ。
へえ、自制心はダメ人間製造機の前でいつまでもつことやら? まあ、期待せずに待ってるよ。
(229) 2018/04/15(Sun) 23時頃