[ソファに戻った女は未だに残る上機嫌さと、それを押しのけるようにぶり返す沈痛な思いとを、独り静かに心で繰り返しながら、ふと思いついたように、傍らに来たピスティオに問いかけた。]ピスティオ?あなた、良い人はいないの?その時は紹介なさい。その時は……[きっと泣くのだろう。その晴れやかで誇らしく嬉しいであろう気持ちを想像しながら、女はやさしげに微笑んだ。]いいのよ。誰だって。あなたが見初めたのならば…。**
(229) 2018/07/26(Thu) 22時頃