――……本当?[しかし彼の口からヤニクの名前を聞けば、無自覚に安心した表情を見せてしまい。迷いが生まれる。彼の元に行ったとして、どうするのかなど決めていないし。例え訪ねたところで、ヤニクは迷惑かも知れなかった。けれどそれでも。もう一度会ってみたくて。ヤニクの元へ連れて行ってくれると言う、鎖と枷で繋がれた手に――おそるおそる自分の手を伸ばす。その選択がいかに愚かな間違いだったかを知るまで、そう時間もかからないと知らずに。**]
(229) 2014/01/28(Tue) 14時半頃