[ない訳ではないのだけれど、それはいつの間にか隙間なく悪夢に塗り潰されていた。思考に沈みかけるその意識は、モニカへと向けられた問い掛けに半ば無理やり引きずり出された。屈託のない声と姿と、その剣呑な言葉が上手く重ならない。…アバターがその人間を表す符号になりえない事は身を持って知っている筈なのに、それだけでは説明出来ない得も言われぬ感覚に表情を繕う事すら忘れてクリスマスの顔を見つめる。――違和感の正体が何となく、分かった気がする。彼女と自分は立ち位置が違うような、そんな気がしたから、だ。改めてその表情を、硝子の瞳を凝視した]
(229) 2014/03/13(Thu) 17時半頃