ー回想ー
[バスケットと招待状を持って、少年が出発したあと、彼に良く似た壮年の男性が家に駆け込む。迎える妙齢(彼女の方が年上ではあるが)の女性に]
おい、奴が来たぞ。斥候らしきゴーレムを見かけた。
トニーは?さすがに隠れさせた方が良さそうかね?
[息子を探す夫に、龍姫は彼をノスフェラトゥの館に遣いに出したことを話す。青ざめるギュスターは]
お、おい。あいつをそんなに危険な所に送ったのか?
そも、そんな目的もわからないような招待状、無事でいられないかも知れないんだろ。
[激昂する夫にミネルヴァは感情をおし殺したように]
そう、ね。真祖の目的はわからない。だからこそ、最悪なことも起こりうる。でも、ここも危険なことには変わりないわ。
私の知る彼の真祖は無為な虐殺をするような人ではないし。
それに、トニーはそろそろ、自分を制御できるようにならないと悲劇を生むわ。貴方も獸性を抑えるのに苦労したでしょ?きっとトニーはもっと強いわ。トニーにとってあの場所は最適、な気がするの。
(228) 2014/11/02(Sun) 19時頃