[三つ編みの終いに、赤い組み紐でリボン結びに、これならしっかり固定出来た様で、満足気に一つ頷いた。その髪型が彼に似合って居るかどうかなんて、いい年をして年中ハーフアップにリボン結びの男にとっては些細な問題だった。
発熱と言われても自覚は無く、振り向いた彼の額を失敬して、各々の手で互いの額に触れてみて、首を捻る。当然彼が冷たく自分が熱い、その温度差は額で在ろうと変わる筈も無く]
キミの体温が低いだけじゃないのかい?
冷たいな…まるで冬眠中のヤマネみたいだ。
……ちゃんと起きている?
[戯言交じりに問い返して、手を離した。
彼の作業の手が止まってしまったから。
少しだけ申し訳無そうに、両手を上げて、もうしないの意思表示を]
すまない、邪魔をしたね。
[元より居るかどうかを見に来ただけで、然したる用は無い。後は少し時が経って場が動くのを待とうか…ひらり手を振り、退室の意思を告げれば、大きく伸びをしながら踵を返して、再び何処かへと*]
(227) 2014/01/30(Thu) 04時頃