― 談話室近く、廊下 ―
…… っ、
[ 天井に再び擦るのも気にせず、閉じかけたハッチに身を滑り込ませて廊下へと躍り出る。
すると、そこには小柄な(少なくとも己よりは視界が下にある)大きな耳を持った少女>>195の姿があった。昨日も驚いた顔>>114をしていたっけ。突然のことに、場違いなのんびりした感想が浮かぶ。
しかしいくら速度が出ないとはいえ、ブレーキを持たぬ身体。慌てて壁に指を押し当てるも、こちらからは接触を止める術がない。]
ごめ、 ん なさ ……、
いそい で、 て 。
[ 衝突したにしろしないにしろ、謝罪の言葉を述べた。
その間も少女の円を描いたような瞳は、アーサーの小さくなる影とこちらを行き来していたか。]
アーサー へん な、 の。
ぐあい わる そ …… で。
[ 経緯を説明する時間も口も足りず、状況だけを少女へと伝える。
たいへん。と口にした彼女は、慌てた様子でアーサーを追いかけて行った。]
(227) 2020/08/27(Thu) 21時頃