[黙考は数秒。宙に指を走らせ、視覚ディスプレイに所属コミュニティの情報を表示させ、何とはなしに思い当たる名前でアバター検索をかける]
…なんだった。
ユ…?いや、違ぇな、ミ…?み、ミ、ミ……、
[静かな部屋に溢れる独り言。
やがて探り当てた一つのアバター画像で手が止まる。
ミルフィ。ああ、そういえば、そんな名前だったかと、小さな呟きが胸中に落ちた。
メール作成画面も、コミュニティ画面も開いたそのままに。
ごろりと寝返りを打ち、視線をぼんやりと漂わせ、しかしそのまま意識は再び追い付いてきた眠気の中へと沈んでいった。
連絡するにもまた明日か、2、3日後でも構いはしないだろうと、そんな遠のく思考と共に。
迫り来るXday。
現実を厭いながらも、こんな現実が毎日続いていく事を当たり前のようにしている片山が、その日の事を知るよしなど無かった]
(227) 2014/03/13(Thu) 17時半頃