犯人像が俺に知れたからと、今更、情に訴えるなんて舐めた真似をしてきたが、生憎と、俺は、聞く気はない。…話し合うには遅すぎだ。 自ら打ち明けてくれたら、どんなに――…あぁ、否、話が逸れたな、忘れてくれ。[ほんの一瞬だけ、滲む感情。翳る表情。震えた呼気を吐き出して整え、ふるり首を振ればまたすっかり元の笑みに戻り] 個別に説得に来たという事は、彼らにとって俺が厄介な存在になったという事だろう。 俺に、この騒動の邪魔なぞ出来はしないのに、連中はそんな事も見えなくなっている様だ。 いずれ、そう遠くないうちに実力行使に来るやもしれん。 アランが直接来ないなら、俺に抵抗する気はない、 反逆者とて同胞、俺は、手を出したくない。
(226) 2014/02/03(Mon) 07時頃