―5月1日午後4時頃、ミナカミ家―
はぁ!?アイツ、俺を追いかけてきてんのかよ…ったくまだ本調子じゃねぇだろうに
何やってんだかあの馬鹿
――ん、ジイさん探しに出てるなら安心かな…下手に俺が動くと面倒な事になりそうだし
ああ、じゃあそれで…そうしてやってくれ
俺の方は野暮用で外で飯喰ってくっから、うん、夕飯はいらねぇ…アイツの分だけで
[受話器を置いたナユタの祖母は緩く首を傾げて窓の外を眺める。止める間もなく外へと飛び出していったマドカと出会えてはいないと知れば心配は増すばかり。マドカを探すといって出て行った祖父からの電話はまだない。
3人で暮らすには些か広すぎる家の一階、リビングを出てキッチンへと向かう。冷めてしまった夕食――お手製のミートパイとサラダ――へとラップを掛けて冷蔵庫へと。スープは温め直せばいいだろう。片付けを終えると階段を登り廊下に並ぶ3つの扉の内、中央のノブへと手を掛けた]
(225) 2013/07/20(Sat) 18時半頃