散々、逃げてきたけどね。辿り着いたのはこの館だったよ。
真祖からの招待状を見たときは……ハンターとして死ね、と宣告された。そう思った。
[館から生きて出るということ自体には、死に物狂いでやるだけの意味も価値も見い出せない。彼女を殺して生き延びても…何もない。命を懸けるだけのものは、なにも。命の価値を信じられないなら、信じるのは死の価値だけだ。]
向かう先があるのなら、尚更きみはこんなところで死ねないな。
[彼女の牙が触れる寸前、呆れたような声が聞こえた(>>222)。どうやら信じてもらえないらしい。瞼を開けると、吸血鬼としての威厳も引込めて後退する彼女と目が合った。]
……そんなわけがあるか、失礼な……
[こっちだって勇気を振り絞っての行動だったんだぞ……と憮然とした表情で。
彼女が身を引いたので仕方なく起き上がり、ばつが悪そうに聞いた。]
――とにかく…血は飲んでいきなよ。腹が減ってはなんとやら、だろう?
[距離を取った彼女に近づくのも気が引けるものを感じて、左手首を差し出すようにした。]
(223) 2014/11/14(Fri) 18時頃